年末最終日、うちでは道具のメンテナンスを行なって仕事納めとしています。
いつも一緒に仕事をする相棒でもある道具に感謝し、年明けから気持ちよく作業できるようキレイに掃除してメンテナンスをしました。
毎日のように使う道具も、月に3回くらいしか使わない道具も、今日は全てメンテナンスをしてやります。道具という物は、刃研ぎだけでなく、ヤニ取り、エアクリーナーの洗浄、グリスアップなどなど、長く使用する為にはたくさんの工程が必要となるので、整備だけでもかなりの時間を要します。これも安全に作業する為の大切な仕事です。
●以下は道具のメンテナンス方法を紹介します。
●刃物のメンテナンスの手順
トリマーの命である刃は、木を切るとヤニ(樹液)が刃にこびり付き、固まってしまいます。ヤニが溜まり固まってしまうとヤニによって、刃の切れ味が低下したり、ヤニがこすれて摩擦が発生してエンジンに負担が掛かったりするので、ヤニをキレイに落とします。
キレイにヤニが取れたら、刃を研ぎます。トリマーの刃は先端の角が尖っている事が重要で、先端が丸くならないように研ぎます。刃を研ぐ時の角度は元々の角度を変えないように研ぐ事が切れ味を落とさないコツです。
刃の研磨が終わったら、刃にクレ556を吹き付けて、サビが来ないように油分で被膜を付けます。それと同時に、3枚重ねになったトリマー刃の摩擦を減らす為にも油をさします。
●チェーンソーのメンテナンスの手順
エアーブラシで全体の木屑を飛ばして木屑を取ってからメンテナンスしたいですが、どこの家にもエアブラシがあるわけでは無いので、エアブラシがない場合はブレーキクリーナーを代用して、汚れを落とします。
まず、チョークを閉めて、エアクリーナーを外してエアクリーナーを掃除します。エアクリーナーの汚れはエンジンのかかりや、回転に影響する重要な部品なので、定期的な掃除が必要です。
次にチェーンソーの刃を外し、本体に粘土のように溜まって固まった木屑を掃除して落とします。※この木屑の塊りを取らないと、チェーンオイルが出にくくなり、切れ味が悪くなった刃が木の切断とこすれら時の摩擦が増えて、摩擦熱で刃に焼きが入ります。更に、ゴミがエンジン回転に負担を掛けてしまいます。
刃を外したらガイドバーのレールを清掃します。レール内に木屑が詰まっている事が多く、チェーンオイルが刃に回らなくなったり、作業中にチェーンが外れやすくなったりするので、木屑をキレイに除去します。
そして、本体の中の木屑の掃除が終わったらガイドバーに刃を付けて組み立てます。
刃の張りを調整して組み立てたら、最後に刃の目立てを行います。便利な目立てのガイドなどの道具を使い、適切な角度で目立てするのが切れ味を維持する方法です。※チェーンソーの目立てのコツは多いので、また別にアップします。
●刈込みバサミのメンテナンス
刈込みバサミも刃に木のヤニがたくさん付着して、切れ味を落とすので、刃に着いたヤニを落とすことから始めます。
ヤニが取れたら、ネジを外し刃を片刃づつ研ぎ石で研ぎます。外したネジを直す自信がない人はネジを付けたまま刃を広げてヤスリで刃を研いでも良いと思います。刃を研ぐ方向は刃の奥から先端に向けて研磨します。刃の先端がキレイに揃ったら最後に返しを一回だけヤスリで擦って終わりです。※返しを研磨しすぎるとハサミの刃と刃の間に隙間ができて刃が噛み合わないので切れ味が悪くなります。
研磨が終わったら、刃に椿油またはグリスを塗ってサビがこないように処理します。
●片手刈込みバサミ
木の上で、片手しか使えない状況で刈込みを行いたい場合に使用するハサミですが、このハサミは片手で使う為、一発で切れるように切れ味がとても重要となるので太い枝はこのハサミでは切らないように使うのが基本ですが、使っているとどうしても刃こぼれしたりするので、ヤニを取ってから丁寧に研磨します。
研磨が終わると刃に椿油またはグリスなどを塗ってサビが来ないようにします。
剪定では意外とよく使用するハサミなので、持っておくのも良いかと思います。
●問い合わせフォームからメールでご質問いただけば、ご返信しますので、道具のメンテナンスなどでもお気軽にご質問下さい。